本人の「やる気がない」に見える状態の正体を整理する
「やる気がないように見える」
「声をかけても動かない」
「このままで大丈夫なの?」
…これ、保護者が一番しんどいところですよね。
でも実際は、“やる気がない”というより 別の理由で動けないことが多いです。
ここでは、正体を整理して「何を見て」「どう関わるか」を分かりやすくまとめます。
🧭 まず結論:「やる気」は最後に出てくる
人は、これが満たされて初めて動けます。
体力(眠れる、食べられる)
安心(失敗しても大丈夫)
手順(何をすればいいか分かる)
できる感覚(小さく成功した)
このどこかが欠けると、“やる気がない”ように見えます。
🧩 「やる気がない」に見える7つの正体
まず、どれに近いか当てはめてください(複数OK)。
① 体力切れ(疲労・睡眠の乱れ)
起きられない/寝ても回復しない
朝が特にしんどい
➡️ 対策:目標を「やる」より「回復」に置く。起床時刻だけ固定、外出は週1から。
② 不安で止まっている(失敗恐怖・評価恐怖)
「どうせ無理」「失敗したら終わり」
先延ばしが増える
➡️ 対策:「やりなさい」より「一緒に最初の1分だけ」。小さく始めて成功で終える。
③ 手順が見えない(何をすればいいか分からない)
指示が抽象的だと固まる
メモしても動けない
➡️ 対策:「1タスク=1指示」「見える化(チェックリスト)」にする。
④ 選択肢が多すぎて動けない(決め疲れ)
どれから手をつけるか分からない
➡️ 対策:「A/Bどっち?」と2択にする。今日の“1個だけ”を一緒に決める。
⑤ 感覚刺激で消耗している(音・光・匂い・人)
外出や人混みでぐったり
➡️ 対策:時間帯・ルート変更、静かな場所、イヤーマフ等。刺激を減らすと“やる気”が戻る。
⑥ うつ・無気力の症状(感情が動かない)
楽しいことにも反応が薄い
食欲・睡眠・自己否定が強い
➡️ 対策:叱咤より医療/支援へ。家族は「回復の支援」に切り替える。
⑦ “反抗”に見える防御(自尊心を守っている)
指摘されるほど動かなくなる
➡️ 対策:「管理」より「尊重」。本人の選択を残す声かけに変える。
🔍 見分けるための観察チェック(3分)
「やる気」の前に、これだけ見てください。
体調
睡眠:寝つき/途中覚醒/起床
食欲:減った?増えた?
疲労:回復に何日かかる?
心
不安:表情が硬い/ため息/先延ばし
自己否定:「どうせ」「無理」
刺激:外出後にダウンする
環境
指示:抽象?具体?
量:多すぎない?
予定:詰めすぎてない?
体調・不安・手順のどれかが崩れていると、“やる気”は出にくいです。
🗣️ 声かけを変えると動ける(保護者向けテンプレ)
“やる気を出させる言葉”より、“動ける条件”を作る言葉が効きます。
✅ ① 2択にする(決め疲れ対策)
「今日はA(短時間)とB(休む)、どっちがいい?」
✅ ② 最初の1分だけ一緒にやる(不安対策)
「最初の1分だけ一緒にやって、あとは任せるね」
✅ ③ タスクを小さく区切る(手順対策)
「まず服だけ着よう。できたら次ね」
✅ ④ 気持ちより事実を聞く(衝突回避)
「今、体は何点?(0〜10)」
「何が一番しんどい?(1つだけ)」
🧰 家庭でできる“回復と行動”の設計(ミニプラン)
やる気の議論をやめて、仕組みにします。
週1回でもOK:外出/通所の練習(固定曜日)
A/B/Cプラン:通常/軽め/休み
成功の定義を小さく:「出た」「連絡できた」「5分できた」
評価は継続:頑張り度より「続いた回数」
⚠️ 受診・相談を急いだ方がいいサイン
以下がある場合は、家族内で抱えず支援につなげてください。
眠れない・食べられないが続く
自己否定が強い、涙が増える
「消えたい」など危険な言葉
急に活動が落ちた(数日〜2週間)
🌈 最後に:やる気を責めない方が、回復は早い
「やる気がない」に見える時ほど、本人の中では
疲れ・不安・混乱が起きていることが多いです。
正体が分かれば、家庭の関わりは
“叱咤”から“設計”に変えられます。
もしよければ、今の状況を
睡眠(だいたいの就寝/起床)
外出の頻度
一番止まりやすい場面(朝/準備/移動/対人など)
この3つだけ教えてくれたら、家庭用の「A/B/Cプラン」と声かけテンプレをあなたの状況に合わせて作ります。