OJT担当者が疲弊しないための、教え方の型
障害者雇用に限らず、OJTがしんどくなる一番の理由は「教え方が属人化」して、担当者が毎回ゼロから背負うことです。
疲弊を防ぐコツは、熱意や相性ではなく “型”で回すこと。
今日は、現場でそのまま導入できる教え方の型をまとめます。
🧭 結論:OJTを“人”から“仕組み”に移す
担当者が疲れる時、だいたいこれが起きています。
同じことを何度も説明している
ミスが起きてから対応している
どこまで任せていいか分からない
周囲と教え方が違って混乱する
相談の窓口が曖昧で全部来る
解決は、標準化・分解・記録の3点セットです。
✅ 型①:教える前に「1タスク=1ページ」を作る(最強の省エネ)
OJTの負荷を激減させるのは、口頭説明の削減です。
作るのはこれだけでOK。
1ページ手順書(超ミニ)
作業名
目的(何を作る/終わりの形)
手順(5〜7個)
OK基準(写真or見本)
NG例(1つ)
迷ったら(止めて聞く)
これがあると、担当者は「読む→一緒に1回→見守り」に変えられます。
✅ 型②:教え方は「見せる→一緒→やってみる→確認」で固定
毎回この順番にすると、教える側の負担が減り、覚える側も安定します。
見せる(まず1回、手元を見せる)
一緒に(同じ工程を並んでやる)
やってみる(本人が実施、OJTは口を出しすぎない)
確認(OK/NG基準でチェック)
“説明”より“実演”。
言葉が多いほど混乱するケースも多いです。
✅ 型③:フィードバックは「1つだけ」+「次の一手」
疲弊するOJTは、改善点を一度に言いすぎます。
伝えるのは 1回につき1つが鉄則。
フィードバックの型
良かった点(事実)
修正点(1つ)
次の一手(具体)
例)
「シール位置は見本と同じで良いです。次は“角から指1本分”だけ意識してみましょう。」
“褒めて終わり”でも“叱って終わり”でもなく、次の行動に落とします。
✅ 型④:質問は「Yes/No」で詰まりを特定(会話疲れ防止)
本人が黙る・止まる時に、長い質問は逆効果。
OJTが疲弊しない質問はこれです。
「今、手順は1番?2番?」
「見本と同じ?違う?」
「迷った?迷ってない?」
「続けてOK?一回確認する?」
答えやすい質問にすると、状況把握が早くなります。
✅ 型⑤:「チェックポイント」を先に置く(手戻り削減=疲弊削減)
ミスが起きると、対応に時間が取られて疲れます。
なので、ミスを小さくします。
3個ごとに見本と照合
10個で数チェック
工程の途中でOJTが1回だけ確認
最終検品でまとめて不良が出るより、途中確認の方がトータルの負担が減ります。
✅ 型⑥:相談窓口を固定する(“全部OJTへ”を防ぐ)
OJTが疲弊するのは、相談が集中するから。
窓口を決めるだけで負荷が減ります。
原則:作業中の相談はOJT
体調・勤怠・人間関係は別窓口(管理者/人事)
例外:緊急時のみOJTへ
「何でもOJT」から抜けるのが重要です。
✅ 型⑦:30日だけ“面談の型”を回す(早期離職を防ぐ)
毎日悩みを聞き続けるのはOJTが持ちません。
面談は短く、型で。
10分面談(週1でOK)
今週の調子(0〜10)
困ったこと(1つ)
良かったこと(1つ)
来週の調整(1つ)
“困りごとを溜めない仕組み”があると、OJTの緊急対応が減ります。
🧩 現場ですぐ使える「教え方テンプレ」まとめ
① 教える時
「まず見せます → 一緒にやります → あとはやってみて、最後に確認します」
② 止まった時
「どこで止まった?手順1〜5のどこ?」
「迷ったら止めてOK。見本と比べよう」
③ 直す時
「ここはOK。次はここだけ直そう(1つだけ)」
✅ OJT担当者の疲弊を防ぐ“チームの約束”3つ
手順書は全員で共有(教え方が揃う)
OJTは“教える時間”を確保(片手間禁止)
評価は“継続・相談・安定”を重視(無理な要求を減らす)
OJTが回る職場は、担当者を“英雄”にしません。仕組みで守ります。
✅ 今日からできるアクション(企業向け)
よくある作業を1つ選び「1タスク=1ページ」を作る
教え方を「見せる→一緒→やってみる→確認」に統一
フィードバックは1回1つにする
相談窓口を分ける(OJTに全部集めない)
必要なら、あなたの業務(清掃/梱包/事務/製造補助)に合わせて
1ページ手順書テンプレとOJTチェックリストをこちらで作り込めます。