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リスク対応の共通言語:困りごとを分類するフレーム

リスク対応の共通言語:困りごとを分類するフレーム

支援現場のリスク対応がうまく回らない原因は、たいてい「困りごとの言い方がバラバラ」なことです。
同じ出来事でも、医療・相談支援・学校・事業所・家族で捉え方が違うと、初動が遅れます。

そこで有効なのが、困りごとを“共通言語”で分類するフレーム
「今どの種類の困りごとか」を揃えるだけで、支援会議・連携・記録・引継ぎが劇的に整います。


🧭 結論:困りごとは「7分類+重症度+時間軸」で揃える

最低限これだけ揃えれば、現場は回ります。

  1. 困りごとの種類(7分類)

  2. 重症度(赤/黄/緑)

  3. 時間軸(いま/今週/今月)


✅ 困りごと7分類フレーム(共通言語の核)

① 安全(Safety)

  • 自傷他害、希死念慮、逸脱行動、急変、事故リスク

  • 最優先で対応

② 体調・回復(Health / Recovery)

  • 睡眠、食欲、服薬副作用、疲労、通院、体調の波

  • 「できた量」より回復時間を見る

③ 行動・生活(Daily Living)

  • 起床、身支度、金銭管理、衛生、移動、時間管理

  • 生活の崩れは就労の崩れに直結

④ 作業・業務(Task / Performance)

  • 手順理解、ミス、速度、集中、段取り、品質、例外対応

  • 工程・基準・見える化で改善できる領域

⑤ 対人・コミュニケーション(Interpersonal)

  • 報連相、相談困難、衝突、距離感、誤解、雑談負荷

  • 相談テンプレ・窓口固定が効く

⑥ 環境・刺激(Environment)

  • 音/光/匂い、人混み、変化、マルチタスク、移動負荷

  • 席・時間帯・手順の固定で改善できる

⑦ 制度・連携(System / Coordination)

  • 家族・学校・事業所・医療の連絡ズレ、役割不明、同意、支援計画

  • 交通整理(窓口一本化・RACI)が効く

ポイント:
“本人の問題”としてまとめず、どの分類の問題かに落とすと、対策が具体化します。


🚦 重症度(赤/黄/緑)トリアージ

分類したら、必ず重症度をつけます。

🔴 赤:緊急(即時対応)

  • 安全に関わる(自傷他害、急変、行方不明、強い希死念慮 等)

  • 迷ったら赤扱いでOK

🟠 黄:当日〜48時間

  • 欠勤急増、強い不安、睡眠破綻、トラブル発生、衝突、医療調整が必要

  • Bプラン(軽減)へ切替+状況整理

🟢 緑:計画内で対応

  • 生活習慣の微調整、スキル練習、手順改善、定期面談で扱える内容


⏱️ 時間軸(いま/今週/今月)で“やること”を分ける

同じ困りごとでも、時間軸で対応が変わります。

  • いま(初動):安全確保・負荷軽減・連絡

  • 今週(安定化):原因仮説・調整・支援計画の微修正

  • 今月(再発予防):手順書/連携ルール化・役割再設計


🧩 使い方:1分で共有できる「リスク共有テンプレ」

会議やチャットでそのまま使える形です。

  • 【分類】⑥環境+⑤対人

  • 【重症度】黄

  • 【事実】休憩室の雑談後に過呼吸気味、午後欠勤

  • 【影響】翌日も起床困難、通所不安定

  • 【初動】Bプラン(短時間)+休憩場所変更

  • 【次】相談支援が家族へ共有、事業所は席配置検討(今週中)


🔍 具体例:同じ事象をフレームで整理するとこうなる

例)「遅刻が増えた」

  • ②体調(睡眠)+③生活(身支度)+⑥環境(通勤負荷)

  • 重症度:黄(連続なら赤寄り)

  • 初動:Bプラン/連絡テンプレ/通勤ルート変更

  • 今週:睡眠記録と回復条件の整理

  • 今月:段階的通所計画へ落とす

例)「ミスが増えた」

  • ④作業(手順/確認)+②体調(疲労)

  • 初動:作業量を落とす+途中チェック追加

  • 今週:工程の見える化(OK/NG)

  • 今月:標準手順書とOJT統一

例)「家族が疲弊して連携が崩れた」

  • ⑦制度・連携+③生活

  • 初動:窓口一本化、夜間連絡ルール

  • 今週:RACIで分担

  • 今月:支援会議の3論点化(事実/優先課題/次の一手)


✅ 導入のコツ(現場で失敗しない)

  1. 分類は“1つに決めない”(複合でOK。主/副を付ける)

  2. 重症度を必ず付ける(迷ったら高め)

  3. 初動は“負荷軽減”が基本(A/B/Cプランが効く)

  4. 記録はテンプレ化(短く揃える)

  5. 会議のゴールは次の一手(誰が/何を/いつまで)


✅ 今日からできる実務アクション

  • ケース記録の冒頭に【分類】【重症度】【時間軸】を追加

  • 支援会議は「分類→重症度→初動→次の一手」の順で進行

  • 連携チャットはテンプレで統一(1分共有)

このフレームが共通言語になると、
“何が起きているか”が揃い、初動が速くなり、再発予防まで一気通貫になります。

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