「支援の正しさ」がズレる瞬間と、軌道修正の手順
支援の現場では、誰も悪気がないのに、
「本人のため」の方向が少しずつズレることがあります。
家族は安心を優先したい。
事業所は通所の安定を見たい。
医療は体調管理を重視する。
相談機関は全体調整を考える。
どれも正しいからこそ、ズレるのです。
🧭 結論:正しさがズレた時は「目的」に戻る
支援がズレる瞬間は、だいたい次のような時です。
本人の希望より、支援者側の都合が前に出る
安全を優先しすぎて、挑戦の機会が減る
成長を急ぎすぎて、本人の回復が追いつかない
家族・事業所・医療で見ているゴールが違う
「普通はこうする」が基準になってしまう
そんな時は、誰が正しいかを決めるより、
何のための支援なのかに戻ることが大切です。
✅ 軌道修正の手順
① 事実と解釈を分ける
まずは、感情や評価をいったん横に置きます。
「やる気がない」ではなく、
「この2週間で欠席が3回あった」
「家族が過保護」ではなく、
「家族が本人の代わりに連絡している」
事実に戻すと、話し合いが責め合いになりにくくなります。
② 本人の希望を確認する
支援がズレる時ほど、本人の声が薄くなります。
本人は何を望んでいるのか
何が不安なのか
どこまでなら挑戦できそうか
言葉にするのが難しければ、
「AとBならどちらが近い?」のように選択式でも構いません。
③ 時間軸をそろえる
支援者同士でズレやすいのが時間軸です。
今週は体調を整える
今月は通所を安定させる
半年後は就労の選択肢を広げる
短期・中期・長期を分けると、
「今は休む」も「将来に向けて進む」も両立できます。
④ 次の一手を小さく決める
会議で大きな結論を出そうとすると、ズレが広がります。
まずは、次の一手を一つだけ決めます。
週1回から再開する
連絡方法を本人主体に戻す
体調確認シートを使う
次回までに見学を1件だけ行う
小さく決めて、実際の反応を見ながら修正します。
🌱 最後に
支援の正しさは、一つではありません。
大切なのは、正しさを押し通すことではなく、
本人にとって「続けられる形」に調整し続けることです。
支援がズレた時こそ、
事実に戻る。
本人の声に戻る。
目的に戻る。
その積み重ねが、支援を前に進めます