「帰れる場所がない」不安を知っているから、私は“さちなび”をつくりました。
こんにちは。
就労継続支援A型「さちなび」代表の吉田です。
私はこれまで、介護職として10年、障害福祉の現場で10年、あわせて20年間、多くの方の「働きたい」という想いと向き合ってきました。
特別な誰かではなく、どこにでもいる誰かの、
「本当は働きたい」
「社会とつながりたい」
という気持ち。
その想いを支える現場に、私は人生をかけてきたつもりです。
でも、さちなびの開設準備をしていた頃、実は私自身も、心が大きく沈んでいた時期がありました。
前職を退職し、一人で自宅にこもり、朝から晩までパソコンに向かい続ける毎日。
誰とも話さず、声を出すこともほとんどなくなり、外にも出ない。
「このまま本当にうまくいくのか」
「やっぱり辞めるべきではなかったのか」
そんな不安ばかりが、少しずつ心に積もっていきました。
今振り返ると、あの頃の私はかなり追い詰められていたと思います。
理由もない焦り。
胸の奥が重く沈むような感覚。
何もしていないのに疲れている。
何かを始めようとしても、体が重く感じる。
そんな日々でした。
その中で、ふと心に浮かんだのが、
「もう、自分には帰れる場所がないのかもしれない」
という感覚でした。
これは、とても怖い感覚でした。
誰にも求められていないような。
社会から切り離されたような。
自分の存在が宙ぶらりんになってしまうような。
家族の支えはありました。
それでも、会社を辞めたこと、起業することへの不安、そしてどこにも属していないような感覚は、簡単には消えませんでした。
そんな時に、たまたま記録的な大雪が降りました。
雪かきをするしかない。
朝も晩も、自宅の周りを汗だくになりながら雪かきしました。
1週間ほど、毎日2時間ずつ体を動かしていました。
気がつけば、太陽の光を浴びながら、汗をかいている自分がいました。
ただそれだけのことなのに、不思議と心が少しずつ軽くなっていきました。
「体を動かすこと」
「日の光を浴びること」
「今日、自分が誰かの為に何かをやったと思えること」
知識としては、もともと大切だと分かっていました。
でも、その時に初めて、自分の体で実感したのです。
その経験を通して、私は一つの思いにたどり着きました。
人は、つながる場所がないと、自分の存在を見失ってしまうことがある。
だからこそ、帰れる場所が必要なのだと思いました。
🌱 「さちなび」に込めた想い
「さちなび」という名前には、幸せにナビゲートするという想いを込めています。
誰かの幸せを一方的に決めるのではなく、
その人が自分の力を知り、自分らしい幸せな働き方に近づいていく。
その道を一緒に探し、必要な時に支え、次の一歩を考える。
そんな伴走者でありたいと思っています。
さちなびは、ただの就労支援事業所ではありません。
誰かの
「もう一度やってみたい」
「また挑戦してみたい」
という想いを、あたたかく受け止められる場所でありたいと思っています。
就職してからも、うまくいかない時があるかもしれません。
体調を崩すこともあるかもしれません。
失敗したり、立ち止まったりすることもあると思います。
でも、その時に、
「また相談してもいい」
「もう一度やり直してもいい」
「戻って考え直してもいい」
と思える場所があることは、とても大切だと感じています。
🤝 さちなびが目指すこと
さちなびでは、「その人のサイズで働く」ことを大切にしています。
できることは全力で取り組む。
難しいことは、迷わず助けを求める。
そして、昨日より一歩前へ進む。
働くことは、お金を得るためだけのものではありません。
誰かに必要とされること。
役割があると感じられること。
昨日より少しできることが増えること。
「ありがとう」と言われること。
そうした小さな積み重ねが、自信や安心につながることがあります。
私は、障害のある方が、もっともっと活躍できる社会をつくりたいと思っています。
そして、もっともっと日本を元気にできる可能性があると思っています。
その人が、自分らしく働き、自分らしく幸せを感じられるように支えたい。
さちなびは、困った時にまた相談できる場所でありたい。
うまくいかなかった時にも、もう一度チャレンジできる場所でありたい。
それが、私がさちなびを始めた理由です。