指示が伝わらない時に見直すべき「言葉の粒度」
「言ったのに、違う形で返ってくる」
「何度も聞き返されて現場が止まる」
「本人の理解力の問題…?でも他の人はできる」
こういう時、原因は“能力”より 指示の粒度(細かさ・具体さ)が合っていないことが多いです。
粒度を合わせると、同じ人でも一気に安定します。
🧭 そもそも「言葉の粒度」とは?
同じ仕事でも、指示は3段階に分かれます。
粗い指示(目的):「梱包お願い」「掃除しといて」
中粒(手順の概要):「袋に入れて、シール貼って、箱に入れて」
細粒(行動+基準):「袋はこの向き/シールは右上2cm/10個で1箱」
指示が伝わらないのは、だいたい
出した粒度と、受け手が必要な粒度がズレているからです。
😣 伝わらない現場で起きている“ズレ”3パターン
① 粗すぎる:目的だけで止まる
何から始める?どこまでが完了?が分からない
② 中途半端:手順はあるが基準がない
“できたつもり”になるが品質がバラつく
③ 細かすぎる:情報過多で抜ける
一度に言い過ぎて覚えられない/混乱する
「どれが起きているか」を当てるだけで改善が早いです。
✅ 粒度を合わせる最短ルール:「1タスク=1指示」
一番効果が高いのはこれです。
❌「これとこれとこれもやっておいて」
✅「まずAだけ。終わったら声かけて」
複数タスクは、理解以前に“記憶”が落ちます。
特に不安が強い人ほど抜けやすいです。
🧩 粒度を調整する「4つのチェックポイント」
指示を出す前に、次を確認するとズレが減ります。
開始点:どこから始める?(道具・場所・材料)
終了点:どこまでやったら終わり?(完成の定義)
品質基準:何を守れば合格?(位置・数・順序・清潔さ)
例外対応:迷ったらどうする?(止める/聞く/メモ)
この4点が入ると、現場は安定します。
🛠️ 仕事別:粒度の見直し例
① 梱包・袋詰め(軽作業)
粗い指示:「袋詰めして」
改善(中粒):「10個ずつ袋詰め→シール→箱」
改善(細粒):
「袋はA、表はこの向き」
「シールは右上、角から指1本分」
「10個で1セット、数えたらチェックを付ける」
👉 コツ:“基準”は写真1枚にすると最強です。
② 清掃(現場系)
粗い指示:「トイレ掃除お願い」
改善(中粒):「便器→床→備品→チェック」
改善(細粒):
「便座裏まで拭く」
「床は奥→手前」
「ペーパー補充は残り2個以下なら補充」
「最後に匂い・水滴を確認」
👉 コツ:清掃は 開始点(道具)と終了点(チェック)が重要。
③ 事務・入力(デスクワーク)
粗い指示:「このデータ入力して」
改善(中粒):「A列は日付、B列は金額、C列は摘要」
改善(細粒):
「日付はYYYY/MM/DD」
「金額は半角、カンマ不要」
「不明は空欄で止めてメモ」
👉 コツ:事務は フォーマット+例外ルールでミスが激減します。
💬 伝わる指示に変える「言い方テンプレ」
✅ テンプレA(最短)
「まずAだけ。終わったら声かけて」
✅ テンプレB(粒度4点入り)
「ここから始めて(開始点)、ここまでやったら終わり(終了点)。合格はこれ(基準)。迷ったら止めて聞いて(例外)。」
✅ テンプレC(不安が強い人向け)
「一緒に最初の1回だけやって、次は見ながらやってみよう」
🔥 “伝わったか”を確認する方法(テストではなく調整)
「わかった?」は、Yesと言いやすく精度が低いです。
代わりにこれ。
「最初に何をする?」
「終わりはどこ?」
「迷ったらどうする?」
この3つを答えられれば、粒度は合っています。
✅ 指示が伝わらない時の処方箋(結論)
1タスク=1指示にする
開始点・終了点・基準・例外を揃える
基準は写真・見本で“視覚化”する
確認は「最初/終わり/迷ったら」で聞く
「伝わらない」は“人の問題”ではなく、設計の問題に変換できます。
粒度が合えば、現場は確実に回り始めます。