「支援目標」の書き方に迷ったことはありませんか。「本人ががんばる」だけの目標では、評価もモニタリングもブレてしまいます。
このノウハウは、個別支援計画の目標設定に日々向き合う同業の支援員・相談支援専門員の方はもちろん、障害者雇用に取り組む企業の人事・現場責任者の方にも活用いただける内容です。さちなびでは、就労継続支援A型事業所として日々の支援計画作成にこの型を使っています。今回はその具体的な書き方を、コピペしてすぐ使える例文つきで紹介します。
同業・企業どちらの現場でも使える理由
支援目標を「行動・条件・測り方」に変換する考え方は、個別支援計画に限った話ではありません。
支援計画の目標設定(相談支援専門員・サビ管)
企業内でのOJT目標・育成計画の設定(人事・現場責任者)
人事考課での本人目標のすり合わせ(人事・現場責任者)
これらはすべて「がんばる」という曖昧な言葉を、誰が読んでも同じ行動をイメージできる形に変換する作業という意味で同じ構造を持っています。似たテーマとして、指示の粒度を揃えると伝わる理由|さちなびが実践している指示の工夫 もあわせてご覧ください。
目標が強くなる基本形(テンプレ)
支援計画に落とすなら、まずこの型が万能です。
✅ テンプレA(最頻出) いつまでに、本人が何を、どのくらい、どんな条件でできるようにする。評価は何で確認する(記録・チェック表・面談等)。
例:「3か月以内に、週3日(各4時間)通所し、開始時刻±10分以内で到着できる。体調不良時はBプラン(短時間)を使い、欠勤連絡を当日9:00までに行う。出欠記録で確認する。」
✅ テンプレB(環境調整つき) 本人の特性に合わせて支援方法(環境・手順)を整え、成果(行動)を安定させる。
例:「口頭指示で抜けが出やすいため、手順をチェックリスト化し、完了率を週80%→95%に引き上げる。チェック表で確認。」
「良くない目標」→「良い目標」への言い換え
❌「生活リズムを整える」 ✅「平日週4日、起床7:30±30分・就寝23:30±30分を2週間継続。睡眠記録で確認。」
❌「コミュニケーションを良くする」 ✅「困った時に『ここで止まりました』で職員に1回/日相談できる。相談記録で確認。」
❌「作業を安定させる」 ✅「梱包作業で『手順4工程』をチェックリスト通りに実施し、やり直しを週5回→週2回へ。品質記録で確認。」
目標設定のコツ:3層で書くと計画が通る
支援計画は「最終(長期)」だけだと抽象的になるので、3層が便利です。
長期目標(6〜12か月):到達したい状態
短期目標(1〜3か月):次のステップ
支援内容(方法):事業所・関係機関が何をするか(本人の努力だけにしない)
具体例(コピペ可):領域別の目標例
A. 出勤・通所(就労準備性)
長期(6か月)
「週5日、各4時間の通所を安定し、欠勤時はルールに沿って連絡できる」
短期(3か月)
「週3日、各4時間の通所を8週間中6週間達成する」
「欠勤・遅刻時は当日9:00までにテンプレで連絡する(達成率90%)」
支援内容(例)
「A/B/Cプラン(通常/短時間/休み)を作成し、本人と合意」
「前日準備チェック(服・持ち物・移動)を導入」
B. 作業スキル(正確さ・工程理解)
短期(3か月)
「清掃の手順(5工程)を写真付き手順書で実施し、指示の追加回数を1日5回→2回に減らす」
「梱包でラベル貼付位置ズレを週10→週3に減らす(見本治具を使用)」
支援内容
「手順を『見える化』(写真、チェックリスト、完了基準)」
「途中チェック(3個ごと確認)を入れてミスを小さくする」
企業の現場でOJT担当の方がこの考え方を使う場合も同じで、詳しくはOJT担当者が疲弊しないための、教え方の型 でも具体例を紹介しています。
C. 報連相・相談(コミュニケーション)
短期(1〜2か月)
「困った時に、テンプレ『ここまでやって、ここで止まりました』で相談できる(週5回以上)」
「報告は『完了→次の指示ください』の一文で伝えられる(1日1回以上)」
支援内容
「相談テンプレカードを携帯」
「職員側は『質問で整理』し、本人の言語化を支援」
D. 体調・メンタル(再発予防・回復)
短期(3か月)
「崩れサイン(睡眠/食欲/焦り等)を3つ言語化し、サイン出現時はBプランへ切替できる」
「休憩(10分×2回)を自己申告し実行できる(週の達成率80%)」
支援内容
「休憩の取り方(合図・場所・戻り方)をルール化」
「医療・相談支援と『初動対応』を共有(必要最小限)」
E. 生活・金銭・社会参加(生活面)
短期(3か月)
「週2回、買い物リストを作って必要品を購入できる」
「支払い(家賃/携帯等)の期限をカレンダーで管理し、未払いを0にする」
支援内容
「チェックリスト化、リマインド、同伴→段階的に自立」
評価(モニタリング)を楽にする書き方
目標の最後に、必ずこれを1行入れるとブレません。
「評価指標:出欠記録/作業チェック表/相談記録/面談記録/支援会議で確認」
そして、数字は「頑張れば届く幅」に。例えば100%より「8週間中6週間」「達成率80%」の方が現実的で継続しやすいです。
よくある落とし穴(回避策)
本人目標が「気持ち」だけ → 行動に変換する
支援内容が「本人の努力」だけ → 環境・支援方法を必ず書く
期限がない → 「いつまでに」を入れる
測れない → 「記録で確認」を入れる
この4つを意識するだけで、支援計画の目標は「評価できるもの」に変わります。書くことが目的ではなく、本人の変化を支えるための地図として使える目標を作っていけるといいですね。
さちなびは、札幌市西区・琴似エリアの就労継続支援A型事業所です。同業の事業所様の見学や情報交換、障害者雇用に取り組む企業様からのご相談も承っています。ご興味があれば、LINEまたはお問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。